12/13のLA雑感。

LA EigaFest2012にぼくの「EDO OF THE DEAD」がコンペティション入選したのを皮切りに、ハリウッドを拠点とする某配給会社が会いたいと行ってきたので、いざ商談とばかりにロサンゼルスに来ています。

13日朝、LAX到着後すぐに、いろいろお世話になっているジャストコーズ・プロダクションLAにごあいさつがてら日本土産を持参し、そのままユニバーサルシティにあるビジネスビルへ。

一時間ほどMTGをしたんですが、なかなか好感触で、長編にして配給契約はしてもいいような雰囲気でした。アメリカの「ある場所」で撮影すれば20%のMG(ミニマム・ギャランティ)も出すそうです。

しきりに「ネガティブ・ピックアップ」と言っていましたね。まあやっぱり向こうじゃそれが当たり前なんでしょう。そしてそのためには「英語による芝居」のほうが圧倒的に売りやすいとのことでした。

なんかどっかの会社で聞いた話とは違うな—と思っていたが、カルト映画として売るかどうかで視点も違うんでしょうね。

 

でもアメリカで時代劇撮ったら「サユリ」や「どろろ」みたいになるのが目に見えてるのでどうもしっくり来ないんだよね。

やっぱり東映や松竹撮影所なんかで、時代劇としての体裁は最低限守らないと、日本人が作る意味がないと思う。

たしかに予算がいくらになろうが、MGの比率は変わらないという点は魅力的だけれどもね。

話聞いてて思ったのは、日本も「コンテンツ特区」とかやる以上は、その地域での映画撮影やコンテンツ制作には税優遇措置をするなどの具体的政策が欲しいが、そのためには自民党の方がいいのかどうか、選挙の行方はLAで見守っています。

 

まあ、国内で配給会社が見つからなくても外国映画として配給されれば問題ない話なんで、世界での配給契約を前提に、国内の金融機関や投資家から金を集めるってことにチャレンジしてもいいかなとは思った。

その際に問題になるのは完成保証ってことになるが、実はこの辺は経産省がずーーーーーっと現場のヒアリングを続けてて、分厚いPDFにもなってるし、ぼくも何度も読んでる上、いまLAには経産省の関係者も来ているわけなので、その辺逆ヒアリングしてもいいかもしれない。

それとは別に、完成保証については「フィルムファイナンスジャパン」という会社があるという噂は聞いているので、当たってみても思う。

 

そしてその場合に問題になってくるのは、まず経理体制。

完成保証型ビジネス、つまりネガティブ・ピックアップを前提とするなら、納品期日保証や現場の徹底管理が大原則になる。現場のチーフ助監督の権限やラインプロデューサーの権限が、監督の権限よりも大きくなる場合がある(詳しくは黒澤明の「トラ・トラ・トラ」の逸話でも探してください)わけだが、今回ぼくはP&Dなのでむしろ責任と権限が一番重くなる。安い金額でやれることではないので、ある程度キッチリ現場利益を見込んだ上で、世界配給に耐える作品にしなければならない。

 

ぶっちゃけその辺の経理や法務を監督が兼務することは不可能なので、Goするならマジでその辺をなんとかしなければならない。

前に「情熱大陸」で紀里谷監督が「(俺以外に)完成保証する監督なんていないでしょ」と豪語してたが、現実にお金を積まないまでも労働という無形の現物出資によって完成保証をしてきた監督はいるし、ぼくもいままでずっと、完成してない作品はない。

だから別に、制作そのものに対してはなんの心配もしていないのだが、デスク周辺に関してはさすがに知識も経験も足りなすぎる。

 

 

そんなわけでMTG後の検討課題としては、以下三点。

 

1.撮影現場を日本にするか、アメリカにするか

2.日本語でやるか、英語でやるか

3.資金調達スキームを「ネガティブ・ピックアップ」にするか「そのほかの手法」にするか(その場合の経理・法務体制については要検討)

 

 

現状、日本映画産業はぼろぼろなので、大切なことは顧客が誰でどこにいて何を求めているのかの再認識と、映画制作の方法論を変革していく勇気だと思う。それを支えるのは人材だから、人材育成も大事だけれども、未来がなければどうしようもない。つまりマーケティング・イノベーション・スタッフの三つがうまく噛み合えば、ざる会計も見直さざるを得ないし、財務体質も良くなるはずというのが、いまの経営トレンドですよね?

 

失敗すれば立ち直るのに大変な痛手を負うけど、まあ、やってみる価値はあるし、何もしなければ何もないわけで、できるところまでやってみましょう、というのがとりあえずの感想。